自民党派閥の政治資金パーティー券問題で、販売利益をキックバックしていたとされる安倍派の事務総長ら幹部3人が5日、国会内で協議した。内容は明かしていないが、対応を協議したとみられる。政権不信の拡大を懸念する自民内からは、政治資金規正法の改正論が上がった。公明党は自民に説明を尽くすよう注文を付けた。
安倍派事務総長の高木毅党国対委員長、前任の西村康稔経済産業相、その前任の松野博一官房長官の3氏は5日午後、国会内で10分間余り会談した。派閥会合と別に3氏で集まるのは異例。関係者は、パーティー券問題が話題になったと明かした。
高木氏は、東京地検特捜部から事情聴取を要請された場合の対応を記者団に聞かれ「仮定の話は控える」と答えた。
3氏と同じ安倍派実力者「5人組」の萩生田光一政調会長は、自身がキックバックを受けたかどうか記者団に聞かれ「私自身の政治団体は法にのっとり適切に処理していると認識している」と述べた。世耕弘成参院幹事長は記者会見で同様の質問に、明言を避けた。
今後の対応を巡り、自民の森山裕総務会長は会見で、政治資金規正法の改正も視野に入れた議論が不可欠だとの考えを示した。「国民に理解されるものでなければならず、議論は必要かもしれない」と述べた。これに関し世耕氏は会見で「問題点が明らかになれば、党が中心になって再発防止に取り組む必要がある」と強調。法改正の是非には「まずは事実関係を慎重に調査、確認することが重要だ」と言及を避けた。
連立与党の公明はパーティー券問題で自民に苦言を呈した。山口那津男代表は会見で「きちんと国民に説明し、信頼を取り戻してもらいたい」と対応を求めた。佐藤茂樹国対委員長は記者団に、派閥は自民党から独立した政治団体だという説明は「国民に通用しない言い訳だ」と指摘。「自民支持者でさえ反応は厳しい。国民の疑念を払うよう説明を尽くすことが大事だ」と語った。
(共同通信)