注目された女子の団体要員は急成長する15歳の張本美に託された。五輪シングルス代表の国内選考ランキング、1月30日付の世界ランキングとも23歳の伊藤より下だが、昨年の大会の成績や戦いぶりが決め手となった。
張本美は昨年11月の選考大会で伊藤、早田らを破って優勝。最終選考の場だった1月の全日本選手権は準優勝に輝いた。約2年間の選考レースの後半に浮上し、4位で終えた。
シニアの国際大会に本格参戦した昨年は海外での実績も積み上げ、世界ランクは日本勢3番手の16位。昨年12月の国際大会では世界女王の孫穎莎(中国)にフルゲームの激戦を演じ、金星まであと一歩に迫った。ダブルスでも中国勢に善戦しており、女子の渡辺監督は「総合的に見て(伊藤と)わずかながら(な差)だけど、張本選手を選出した」と説明した。
男子は国内選考ランク3位の篠塚が選ばれた。世界ランキングで日本勢3番手の松島輝との比較となったが、篠塚は全日本の6回戦で松島輝に4―3で勝った。男子の田勢監督は選考ランクに加え「五輪と状況が似ている」と、重圧の大きい直接対決での戦績を評価した。
五輪の団体で女子は中国を破っての金メダル、男子は連続メダル獲得を目指す。
<卓球女子略歴>
早田 ひな(はやた・ひな)4歳から卓球を始める。シングルスは23年世界選手権3位、今年の全日本選手権で2大会連続3度目の優勝。福岡・希望が丘高出、日本生命。23歳。福岡県出身。
平野 美宇(ひらの・みう)3歳から卓球を始める。16年の女子W杯で日本勢初のシングルス制覇。東京五輪団体銀メダル。東京・大原学園高出、木下グループ。23歳。山梨県出身。
張本 美和(はりもと・みわ)智和の妹で2歳から卓球を始める。21年世界ユース選手権U―15で4冠。今年の全日本選手権シングルス2位。神奈川・川中島中、木下グループ。15歳。宮城県出身。
<卓球男子略歴>
張本 智和(はりもと・ともかず)中国出身の両親の下、2歳で卓球を始める。18年グランドファイナル制覇。東京五輪団体銅。神奈川・日大高を経て早大、智和企画。20歳。宮城県出身。
戸上 隼輔(とがみ・しゅんすけ)3歳から卓球を始める。21年の世界選手権男子ダブルス3位。全日本選手権シングルスで22、23年に2連覇。山口・野田学園高出、明大。22歳。三重県出身。
篠塚 大登(しのづか・ひろと)21年世界ユース選手権U―19の混合ダブルスで優勝。全日本選手権シングルスで23、24年に4強。愛知・愛工大名電高出、愛知工大。20歳。愛知県出身。
(共同通信)