日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月12日初日・両国国技館)の番付を発表し、日体大出身の元アマチュア横綱で23歳の大の里が新小結に昇進した。幕下付け出しデビューから所要6場所での新三役は昭和以降2位。新入幕から同2場所の新三役も2番目の速さ(年6場所制となった1958年以降初土俵)。
西大関の琴ノ若は琴桜に改名し、元横綱で祖父のしこ名が50年ぶりに復活。先場所途中休場の横綱照ノ富士は東。他の大関は豊昇龍と貴景勝が東、2度目のかど番の霧島が西に回った。関脇は2場所連続の若元春が東、12場所ぶりの阿炎が西。元大関の朝乃山は東小結で2021年秋場所以来の三役復帰。先場所で110年ぶりに新入幕優勝の尊富士は東前頭6枚目。
新入幕は宮城県出身で97年春場所の五城楼以来となる時疾風、モンゴル出身の欧勝馬の2人。遠藤が16年春場所以来の十両に転落。水戸龍、友風、宝富士が再入幕。新十両は阿武剋、塚原改め栃大海、風賢央。再十両は元幕内の千代丸。当面閉鎖の宮城野部屋が転籍した伊勢ケ浜部屋は最多の力士40人が番付に載った。
うるま市出身の美ノ海(具志川中―鳥取城北高―日大出、木瀬部屋)は西前頭13枚目となった。
「祖父との約束」 琴桜、襲名に感慨
大相撲の大関琴ノ若改め琴桜が30日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で記者会見し、元横綱の祖父のしこ名を襲名したことに「約束を守れたのは良かった。自分の手でつかめた」と感慨をにじませた。
2007年に亡くなった先代師匠の祖父とは、大関昇進で名乗る約束を交わしていた。
激しいぶちかましで「猛牛」と称された琴桜の名が1974年名古屋場所以来、50年ぶりに番付に復活。会見には約50人もの報道陣が集まった。大関はピンク色の着物で現れ「先代には追いつきたいと思っている。つかめる地位まで来たので、上がれるようにやっていく」と頂点を見据えた。
19年名古屋場所の新十両から慣れ親しんだ琴ノ若に別れを告げ、しこ名の下は祖父の「傑将」にちなんで「将傑」に改名。新しい化粧まわしやサインも披露し「不思議な感覚。思ったより実感がない」と率直に語った。
新大関の先場所は10勝に終わり、今場所は初優勝を目指す。父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「花と言えば桜、相撲と言えば琴桜」と呼ばれるように願い「強く、愛される力士に育ってほしい」と一層の成長を求めた。
三役喜ぶ大の里 「実感が湧いた」
新小結大の里は30日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋で記者会見し「(番付の)名前が大きくなっているのを見て、三役に上がった実感が湧いた」と喜んだ。昨年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵の大器。初のまげ姿を披露し「似合っているなと思う。いよいよこれからだという気持ち」と意欲を新たにした。
新入幕から2場所続けて11勝を挙げ、三賞を連続受賞。「優勝が夢から目標に変わった。天皇賜杯を抱いてみたい」と真っすぐな視線で語る。
今場所は初日から横綱、大関陣との対戦が確実で「序盤戦の5日間が勝負になる。残り2週間でしっかり準備して頑張りたい」と闘志を燃やした。
昨年9月に20歳未満の幕下以下力士と飲酒したことにより、日本相撲協会から4月22日に厳重注意を受けた。ともに会見の冒頭で謝罪した師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「今後は大の里を相撲道にまい進させていく」と述べた。
<郷土関係>
【幕下】
嘉陽 西1(那覇)二所関
宮城 東9(名護)二所関
城間 東33(浦添)尾上
千代ノ皇 西34(鹿児島)九重
【三段目】
大谷 西4(沖縄)伊勢浜
千代の勝 東6(うるま)九重
立王尚 東7(宜野湾)立
【序二段】
島袋 東7(伊
安琉海 東33(浦添)安治川
竹葉 西33(竹富)伊勢浜
出羽大海 東57(宮古島)出羽海
【序ノ口】
(今場所、関係地出身力士なし)
(共同通信)