政治分野の男女格差是正のため、議席や候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」導入を訴える団体が7日、国際女性デーを前に国会内で集会を開いた。女性参画推進に取り組む超党派議員連盟の中川正春会長(立憲民主党)は、昨年4月の統一地方選で女性議員の割合が増えたことを踏まえ「潮目が変わってきている。今国会中にクオータ制の試案をまとめ、各党に伝える」と述べ、与野党に議論促進を呼びかけた。
雇用分野での男女平等を目指す男女雇用機会均等法制定に尽力し、今年2月に死去した赤松良子元文相のビデオメッセージも流された。「日本の女性の地位は国際的に見てまだまだ低迷している。女性議員の割合の低さが大きな理由の一つだ」との指摘に対し、会場から拍手が起きた。
集会には与野党の国会議員約60人が参加。自民党の高橋はるみ女性局長は「女性の活躍が日本の国際競争力に直結するとの意識が必要だ」とのメッセージを寄せた。立民の泉健太代表は「地方選で積極的に女性を擁立している。国政選挙でさらに進める」と強調した。
内閣府の担当者は、女性国会議員の割合が16.1%にとどまり、国際的に見ても低い水準にあると説明。政治分野でのハラスメント防止研修や、地方議会で整備されている仕事と育児の両立支援規則などについて報告した。
<用語>クオータ制
人種や性別などを基準に一定の比率で人数を割り当てる制度。政治分野で議会の男女格差の是正を目的とするクオータ制は、2020年2月時点で世界の約60%に当たる118の国・地域で導入されている。(1)憲法か法律で議席の一定数を女性に割り当てる「議席割当制」(2)憲法か法律で候補者の一定割合を女性または男女に割り当てる「法的候補者クオータ制」(3)政党が規則などで候補者の一定割合を女性または男女に割り当てる「政党による自発的クオータ制」に大別される。
(共同通信)