旧暦5月4日のユッカヌヒーに当たる9日、航海安全や豊漁などを願うハーリーが県内各地で開催された。各港では舟上で力を合わせてこぐ姿、熱い声援を送る人々の姿が見られた。
【名護】若い力 小雨吹き飛ばす
名護漁協(安里政利組合長)は9日、大漁と航海安全、健康を祈る海神祭を名護漁港で開いた。小雨が降る中、組合員と家族、地域住民が訪れ声援を送った。
同漁協の西、汀間、辺野古の3支部で御願バーリー、本ハーリー、上りハーリーで熱戦を繰り広げた。
西支部が昨年に引き続き優勝した。優勝旗を受け取った岸本純也さんは「若い組合員が入ったことで勝てたと思う」と話した。
安里組合長は、年々盛り上がりが少なくなってきていることに肩を落としながらも「若い漁業者が増えてきている。彼らにとっても花開く年になってほしい」と語った。ハーリー後、会場ではマグロの解体ショーもあり、訪れた人たちに厚切りの刺身が振る舞われた。
(玉寄光太)
【粟国】一丸 7年ぶり熱き魂
粟国ハーリーが9日、粟国港で開催された。当日は、雨空にもかかわらず、たくさんの村民が7年ぶりのハーリーを楽しもうと、粟国港に集まった。幕が上がると、会場中が一体となり、大歓声が上がっていた。
職域対抗レースに参加した糸洌翔太さん(22)は「ハーリーをこぐのはとても疲れたが、チームのみんなと一丸となってレースに挑んだことは一生の思い出になった。岸からの応援が後押しとなり全力を出し切ることができた」と話した。
閉会式で優勝した西組チーム。「とても感動した!」と激励の言葉とともに、賞状と賞品を手渡した高良修一村長。満面の笑みを見せた。
クラブの掲示板に張りだされた粟国ハーリーの宣伝ポスターは「7年ぶりに帰ってきた! 粟国の熱き魂を見せつけろ!」と書かれており、島民の心をときめかせた。
(笹沼誠通信員)
【うるま・桃原】歓声 22組タイム競う
うるま市与那城の桃原自治会のハーリー大会が9日、桃原漁港で開かれた。地元の子どもらや会社、中学校の同窓生など22チームが参加しタイムを競った。住民や各チームの応援団など多くの観客も応援に駆け付け歓声が湧いた。
1試合目に宮城こども広場のチームで参加した津波古琉生さん(11)は「ハーリーは初めてだったがうまくできたと思う。船が揺れて水が入りそうになるのが楽しかった」と笑顔を見せた。
(福田修平)
【恩納】伝統 女子チームも熱く
恩納村の前兼久漁港で「ユッカヌヒー」の9日、前兼久ハーリー(同実行委員会主催)が催された。職域ハーリーや小中学生の体験ハーリーなどが行われ、勇壮なかいさばきに観客らは熱い声援を送った。
ハーリーの前には、区の拝所「東川根(アガリカーニー)」と「竜宮神」で豊漁や航海安全を祈った。前兼久成人会、同青年会、恩納村漁協の3艇がトゥングワーを1周した後、御願ハーリーで儀式が終了した。
職域ハーリーでは一般の部30チーム、女子の部6チームが出場した。一般の部はGunners、女子の部はGunnersLadiesが優勝を手にした。両チームは嘉手納町を拠点とするハーリー同好会で、前兼久ハーリーは初参加だという。
ハーリーのほか果物取り競争やライブなどのイベントも盛況だった。金城正則区長は「今年は久しぶりの日曜開催で盛り上がった。これからも、子どもたちに区の伝統行事を伝えていきたい」と話した。
(玉寄光太)