具志川大闘牛大会(具志川闘牛組合主催、琉球新報社共催)が30日、うるま市の石川多目的ドームで開かれた。今年の上半期最後の大会で、4週続けて開かれている闘牛大会の最終戦。会場には多くの闘牛ファンが足を運び観戦を楽しんだ。注目されたシーの1番は、友羽総業八宝(ゆうはそうぎょうはっぽう)が脚の故障で欠場。急きょ、代わりに出場した南星摩守進(なんせいまもしん)(元・三幸摩守進)が剛毅(ごうき)を腹取り一発で一蹴した。封切り戦は、馬天白冠(ばてんはくがん)が連勝中の亜華梨豪鬼(あかりごうき)を破り復帰戦を飾った。
シーの1番で勝利した南星摩守進は、徳之島では勝ち星に恵まれず2連敗した後、沖縄へトレードされた。しかし、いずれの負けも強豪牛相手に惜敗しているためその実力は多分にあると思われる。剛毅との対戦では相手のカケ技にツキ・ワリで対抗し、最後は剛毅のお株を奪うような強烈な腹取りで嬉しい初白星を手にした。
封切り戦は、馬天白冠が亜華梨豪鬼の横っ腹を狙った奇襲攻撃で始まった。亜華梨豪鬼も素早い対応を見せ両牛正面から向き合うが、馬天白冠の気迫に押されたのか後退しはじめた。馬天白冠はここぞとばかりにツキ技ワリ技で畳みかけると亜華梨豪鬼がたまらず敗走した。
シーの7番は、若手同士の対決とは思えないほど内容の充実した好取組だった。両牛の角と角がぶつかり合う激しいつばぜり合いからスタートした。南星千龍が強烈なワリ技を繰り出すと長堂畜産政心大力は鋭い角先で相手の眉間を切り裂くツキ・ワリで対抗するなど一進一退の攻防で会場を盛り上げた。だが、これまで互角に戦っていた南星千龍が14分48秒で自ら戦列を離れ勝負ありとなった。ルーキーながら長堂畜産政心大力の気持ちの強さが際立つ一戦だったのではないだろうか。
【優勝】南星摩守進
【ゆかり賞】知念重機土木☆剛剣(とうけん)
【殊勲賞】東龍
【敢闘賞】長堂畜産政心大力
(平川智之通信員)