国際交流基金(JF)の地球市民賞・公開ラウンドテーブル「アートからひらくコミュニケーション」が6月30日、那覇市若狭公民館で開催された。「アートを活用した国際交流活動」に着目し、防災や教育、多文化共生、地域コミュニティーなどのテーマにアートを取り入れて活動する団体の代表らが、実践報告した。
地球市民賞は1985年創設。国際文化交流を通して日本と海外の市民の結び付きを深めている団体に贈られる。JFは毎年、公開ラウンドテーブルを国内で開催しており、沖縄での開催は初めて。同日は過去に受賞した全国5団体が、活動を報告した。
那覇市若狭公民館の指定管理者「地域サポートわかさ」は、「誰一人取り残さない地域社会の実現」をモットーに、ひとり親世帯や在留外国人の支援を手掛ける。住民や外国人が現役アーティストの指導で作品を制作する社会教育プログラム「アートな部活動」などユニークな取り組みが評価され、2022年度に地球市民賞を受賞した。
「地域サポートわかさ」の宮城潤事務局長は活動について「公民館を訪れにくい人たちに、『いつでも来て』と言えるようになりたい。さまざまなNPOや専門家、アーティストの力を借り、地域の中で組織に属さず(地域と)関わり切れていない人たちにアプローチしている」などと述べた。
(岩切美穂)