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【動画】沖縄と京都の「姉妹校」 卒業生が半世紀ぶりに再会、校歌を共に合唱 山内中と泉川中


【動画】沖縄と京都の「姉妹校」 卒業生が半世紀ぶりに再会、校歌を共に合唱 山内中と泉川中 沖縄の日本復帰前に山内中と交流し、今回半世紀ぶりに訪れた京都・泉川中の卒業生を歓迎した交流会=20日、沖縄市の山内中
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 戦後の米統治下にあった沖縄の日本復帰を求める運動が盛んだった1965年に姉妹校となった沖縄市の山内中と、京都府木津川市の泉川中の卒業生が20日、半世紀ぶりの対面を果たした。京都の7人が現在の教員4人とともに山内中を訪問。在校生の歓迎も受けて、忘れずにいた校歌を一緒に合唱した。

 両校は姉妹校締結後、訪問や文通で交流を重ねたが、復帰後に途絶えた。昨年から生徒間の交流が復活。昨年8月、泉川中の太田智之校長(60)が山内中を訪問した際、学校周辺を1軒ずつ訪ね当時の交流を知る人を探し当てた。その後、双方で卒業生が見つかり、再会を願う声が上がった。

 この日は、半世紀前と同じく山内中の吹奏楽部の演奏で訪問団を迎え入れた。山内中の卒業生ら7人も共に歓迎した。相互訪問した卒業生は互いに相手の校歌を覚えており、一緒に合唱した。

 泉川中からの第1期訪問団7人の一員だった尾田敬子さん(71)は1967年以来の再訪。文通をしていた池上順子さん(71)=沖縄市=と手を取り合って再会を喜んだ。「こんなふうに、またつながれるのが不思議」と、得意のマリンバの演奏を披露した。

 69年に来沖した亀井篤子さん(69)は今回の訪問が決まって思い出した光景がある。車で案内してもらったとき、行き違った車の外国人が体を乗り出し、唾をはきかけた。運転していた人は「いつものこと」と受け流した。案内された米軍基地には広い敷地に住宅があり、フェンスの内外の落差に憤りを感じた。

 今回、学校訪問の前に嘉数高台の京都の塔を訪ねた亀井さん。オスプレイが上空を飛び、ごう音に包まれる中、55年前の歓迎会をはっきり思い出した。あの時も米軍機が低空飛行し、耳をふさいだという。

 亀井さんは両校生徒の交流を願って交流会で呼びかけた。「街はきれいになったが、変わっていないことがある。良い時代になるように、学んで、つながってほしい」

 (宮沢之祐)