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歌い踊って豊作祈願 宮古島「野原のマストリャー」 十五夜、男女が集い披露


歌い踊って豊作祈願 宮古島「野原のマストリャー」 十五夜、男女が集い披露 伝統行事「野原のマストリャー」で、棒を持ちながら勇壮に踊る男性=9月17日午後9時40分ごろ、宮古島市上野野原
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

 【宮古島】旧暦8月15日の十五夜に当たる9月17日夜、宮古島市上野野原の野原公民館で伝統行事「野原のマストリャー」が行われた。満月が輝く中、棒を持った男性が力強く踊り、クバ扇や四つ竹を持った女性は華麗に舞い、男女がクイチャーを踊って豊年を感謝して、翌1年の豊作を祈った。

 300年以上の歴史を誇るといわれているマストリャーは、宮古島市の無形民俗文化財と国選択無形民俗文化財に指定されている。人頭税で穀物税を計量する「升取屋」が語源とされており、租税の完納を喜び、来年の豊年を祈願して踊りを奉納する伝統行事。

クバ扇や四つ竹を持ちながら華麗に踊る女性=9月17日午後10時15分ごろ、宮古島市上野野原

 17日午後9時ごろ、四つの組(申・子・牛・寅)に分かれて食事を楽しんでいた男性が、「さっさー」とかけ声を出しながら徐々に公民館に集まってきた。男性がそろうと、次に女性が駆け付け、会場はにぎわいを見せた。

 住民が公民館の敷地内に入ると、男性は持っていた棒を力強く振り、互いの棒を打ち鳴らすなどした。四つ竹やクバ扇を手に女性は軽やかに踊った。最後は男女が大きな円を作り、クイチャーを披露した。

 砂川直紀区長(60)は「年々、住民の数は減ってきているが、今年もみんなのおかげで無事にマストリャーを終えることができた。楽しく歌い踊ることができたので向こう一年の豊作や健康が期待できる」とほほ笑んだ。

 (友寄開)