署名2万人「激戦地の土砂採取断念を」 具志堅さんハンスト、広がる支援


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 戦没者の遺骨が残る本島南部の土砂を名護市辺野古の新基地建設に使う計画の断念などを求め、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)らが県庁前で続けるハンガーストライキは6日、最終日を迎える。5日までに2万人を超える署名が集まり賛同の輪が広がっているが、要求に対する国や県の回答はない。今後も署名活動を継続するほか、支援者によるハンスト(15日以降)などを計画している。

県庁に向かって訴え掛ける沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(手前)=5日夕、県庁前

 今月1日にハンストを始めた具志堅さんは、沖縄防衛局による本島南部での土砂採取計画断念と、採掘業者が届け出た糸満市米須での事業について、玉城デニー知事が自然公園法に基づき中止命令を出すことを要求する。具志堅さんは連日、県庁舎に向かって拡声器で「デニーさん、戦没者の遺骨を助けてください」と訴え続けた。5日までに、玉城知事が姿を見せたことはない。

 具志堅さんは5日、県庁前での集会で「回答がなく、やるせない思いはあるが、うれしいのは、新聞やテレビを見た県民がここに駆け付けてくれることだ」と手応えを語った。「チラシを受け取る人、会釈をしてくれる人が増えた。世論が高まっているのを感じる」とも強調した。

 県庁前のテントには5日も、戦争体験者やその遺族など多くの人が激励に訪れた。沖縄市からバスで来た比嘉ヨシさん(77)は、糸満市で戦死した父の遺骨を戦後も探し回ったが見つかっていない。友人の家族によると、父は海に逃げられず、最期を遂げたという。比嘉さんは「泳げなかった父の遺骨があるかもしれない土を、辺野古の海の埋め立てに使うことは絶対にやめてほしい」と声を詰まらせた。最終日の6日は午後1時半から県庁前で集会を開く。