沖縄県糸満市の海岸で12日、絶滅危惧種のウミガメ、タイマイの産卵が確認された。地元やラジオ界でカメ好きとして知られる市在住の徳村弘輝さん(66)が発見し撮影。「タイマイの産卵に出合うのは生涯で初めてだ」と感慨深げに語った。
12日午前1時ごろ、エビ捕りのため近くを訪れた徳村さんは、砂浜にウミガメの足跡を見つけた。「アオウミガメやアカウミガメの産卵に遭遇したことはあったが、今回は歩幅が小さかったのが印象的だった」という。足跡をたどると、甲羅の後ろがギザギザとしているのが特徴のタイマイ1匹を発見。産卵を終え、後ろ足で卵に砂をかぶせていた。
その日は波が穏やかで静かな夜だった。徳村さんは、タイマイが無事に海に帰るまで、そっと様子を見守った。
タイマイは環境省のレッドリストの絶滅危惧IB類に指定されており、アカウミガメやアオウミガメに比べ、県内での産卵の目撃例は少ない。