【宜野座】在沖米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが宜野座村の民間地とみられる上空で物資つり下げ訓練を実施した件で15日、村民から「危険すぎる」と憤る声が上がった。訓練ルートに使われたとみられる城原区は防衛局に民間地での訓練中止などを求めたほか、村や村議会も対応を検討している。
沖縄防衛局は同日、本紙の取材に「米側に照会中」と答えた。村に訓練の事前通告はなかった。
城原区の大嶺盛光区長(60)は14日午後3時ごろ、土のうのような物をつり下げ、民家上空を旋回するオスプレイ1機を区事務所敷地内から目撃し撮影した。15日、防衛局金武出張所に、民間地での訓練中止と離着陸に使われる約1キロ先の着陸帯の撤去を求めた。
大嶺区長は「すぐ近所を高度30メートルあるかないかで飛んでいるように見えた。民間地での訓練が常態化しており危険すぎる。民家近くに訓練拠点を置くべきではない」と指摘した。
村民が撮影した動画を確認した當眞淳村長は「民家の真上を飛んでいるようだ。防衛局を通じ事実確認し、事実ならリスクがある民間地周辺の訓練はやめるよう申し入れたい」と話した。村議会は抗議決議の提案に向けて18日に米軍基地関係対策調査特別委員会を開く。
村によると城原区や漢那区では12~14日、オスプレイによる夜間訓練も実施された。12日は午後11時ごろ、13~14日は同9時ごろまで。住民の苦情を受けて13日に防衛局に住民への配慮を申し入れた。漢那区の60代男性は「騒音で会話や電話の声もかき消される。本当に迷惑だ」と話した。
(岩切美穂)