宜野湾市長に佐喜真氏再選 志村氏に5857票差


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宜野湾市長選で当選を確実にして支持者らと万歳三唱する佐喜真淳氏(中央)=24日午後9時半ごろ、宜野湾市野嵩の選挙事務所

 【宜野湾市長選取材班】任期満了に伴う宜野湾市長選は24日に投開票され、政府・与党の支援を受けた現職の佐喜真淳氏(51)=無所属・自民、公明推薦=が2万7668票を獲得し、元県幹部で翁長県政与党の支援を受けた新人の志村恵一郎氏(63)=無所属=の2万1811票に5857票の大差をつけて再選を果たした。米軍普天間飛行場の返還・移設問題が最大争点になった今回の市長選で、名護市辺野古移設を進める政府・与党が推す現職が勝利したことで今後、安倍政権は移設作業を強硬に推し進めることが予想される。

 翁長雄志知事が昨年10月、前知事の辺野古沿岸の埋め立て承認を取り消した後、県内では初の選挙となる。「直近の民意」として普天間移設問題に影響を与える可能性がある。
 勝利した自民、公明は6月の県議選で議会議席の過半数奪取と、夏の参院選での現職再選に向けて勢いをつけた。翁長知事が支援した候補が敗れたことで「新基地建設反対」を掲げて革新と保守の一部が連携した「オール沖縄」体制の求心力に影響を与えそうだ。
 安倍晋三首相は24日夜、自民党幹部に「この勝利は大きい」と述べた。
 佐喜真氏は自公幹部らを水面下で投入して企業・団体票を固めた。与党市議団が地域をくまなく回る「どぶ板選挙」を徹底して支持を広げた。普天間問題では「固定化阻止」を強調して争点化を避け、経済振興や子育て支援の実績が市民に評価された。
 志村氏は革新政党や労組の支持者による地域回りで社民、共産、社大などの革新票を固めた。保守系議員とも連携したが、自民や企業などの保守票の切り崩しは限定的だった。
 宜野湾市の当日有権者数は7万2526人(男性3万4721人、女性3万7805人)。投票総数は4万9839人で投票率は68・72%、2012年の前回市長選よりも4・82ポイント増えた。

2016年宜野湾市長選挙 佐喜真淳氏が再選 #宜野湾市長選挙 – Spherical Image – RICOH THETA