解体か震災遺構か… 揺れる住民 宮城・石巻市立大川小跡地


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 大川小は震災後当初は「遺族感情への配慮」として「震災遺構」検討の対象外となっていた。その後、国が震災遺構の保存維持の予算支援を示し、大川小も検討が開始された。石巻市の調査では市民全体で「一部保存」と「全部保存」が計60.4%で過半数を占めた。一方、大川地区の住民は「解体」54.4%で過半数だった。

遺族会の遺族への調査では、54世帯のうち53世帯が回答し、27世帯(50.9%)が「校舎解体後に公園化などで保存」、4世帯(7.5%)が「完全な解体」を望み、解体が保存を上回った。「完全保存」は20世帯(37.7%)、「一部保存」は2世帯(3.8%)だった。遺族の一人は公園化などの案を示しながら「校舎の解体も、残すための一つの選択肢」と話している。

 

「震災遺構」として保存か解体かが話し合われている石巻市立大川小学校跡地=2月23日午後、石巻市
「震災遺構」として保存か解体かが話し合われている石巻市立大川小学校跡地=2月23日午後、石巻市