リオデジャネイロ五輪に出場した重量挙げの糸数陽一選手(豊見城高―日大―警視庁)とバレーボールの座安琴希選手(中部商高―久光製薬)が故郷沖縄に凱旋(がいせん)した。29日に出身地や母校などを訪ね、声援への礼を述べ、オリンピックでの貴重な経験などについて報告した。
4位入賞を果たした糸数選手は午前に母校の豊見城高を訪ね、津留一郎校長らに「(激励会など)応援が励みになった」と感謝。同校ウエートリフティング部の後輩たちに技術指導した。
座安選手はうるま市役所に島袋俊夫市長を訪ね、「県のエールはしっかり届いていた」とお礼。夕方からは沖縄市内でバレーボール関係者が開いた慰労・激励会に出席、今後のさらなる精進を誓った。
◇糸数選手「沖縄の声援届いた」
糸数陽一選手(25)は母校の豊見城高校で「東京オリンピックでは金メダルを目指し頑張っていきたい」と4年後に頂点に立つという強い決意を示した。ウエートリフティング部の練習にも参加。後輩たちは目を輝かせてアドバイスに耳を傾けた。
五輪報告会では「オリンピックは日本の反対側のブラジルだったが、沖縄の皆さんの応援が届いて世界4位という結果が出せた」と感謝した。「6本試技成功させて内容的には満足しているが、3キロ差でメダルを逃し、悔しい気持ちもある」と振り返った。
津留一郎校長は「糸数選手の活躍によって本校生徒も目標を設定し、日々継続して取り組む必要性を実感したと思う」と賛辞を送った。糸数選手は同競技選手団の名前が入った皿を贈呈。同校は豊見城高Tシャツを糸数さんに手渡した。
ウエートリフティング部の練習に参加した糸数選手は、後輩たちを直接指導した。スナッチのフォームについて助言を受けた1年の大城琉希さんは「とても誇りに思う」とはにかんだ。2年の大山未来さんは「世界が違う先輩が身近にいてくれる経験はなかなかない」と目を輝かせた。
◇座安選手「競技発展へ使命実感」
県バレーボール協会などは29日夜、沖縄市の沖縄こどもの国のレストランで、リオ五輪にバレーボール女子日本代表として出場した座安琴希選手(26)の慰労・激励会を開いた。協会関係者や座安選手の恩師らが参加し、五輪での活躍をねぎらい、今後の活躍を期待した。
座安選手は「これだけたくさんの人たちに応援してもらえたことは光栄だ。バレーを続け、活躍することが沖縄のバレーボールの発展につながる。これからの私にとっての責任や使命だと思う。ますます頑張りたい」とあいさつした。
うるま市内でママさんバレーをしている大嶺和恵さん(54)は「県民やうるま市民にとっての誇りだ。明るい希望として、活躍を応援したい」と語った。