圧倒的存在感放つ 大嶺實清展開幕 琉球新報ギャラリー


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大嶺實清氏の個展「JISSEI OMINE」が開幕し、作品を鑑賞する来場者ら=12日午前、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 琉球新報本社ビル落成記念展「JISSEI OMINE~大嶺實清の仕事~」(琉球新報社主催)が12日から、沖縄県那覇市泉崎の琉球新報ギャラリーで始まった。沖縄が誇る陶芸家で、全国にファンを持つ大嶺さんの作品100点以上が展示されている。21日まで、入場無料。

 大嶺さんは開幕式で「若い世代は、イベントを通して焼き物を売ったり買ったりする横広がりの考え方があるが、そのような中で琉球新報がギャラリーを設置したのは、タイミング的にもよく、今後に期待している」と述べた。今回の作品については「説明するよりも、まず作品を見ていただきたい」と呼び掛けた。

 ペルシャブルーといわれる深みのある青が特徴の焼き物や、大嶺さん自身が和紙に墨で描いたデッサンと呼ばれる墨蹟(ぼくせき)、丸い白い壺の「亜熱帯の痕跡」など、一つ一つが存在感とパワーを放っている。

 大嶺さんの個展を目的に、奈良県から訪れた林有紀さん(42)は「大嶺さんの作品をこれだけ多く一堂に見られる貴重な機会。パワーを感じる」と話した。以前読谷に住んでいて、宮城県から来た武田由美子さん(47)は「何を問い掛けているのかこちらが考えさせられるオブジェが多く、見ていて飽きない」と絶賛した。

 主催する琉球新報社の富田詢一社長は「沖縄が誇る巨匠の先生の作品は、岩に打ち寄せる怒濤(どとう)の波と砂浜の引き潮と、静と動のコントラストが一つの作品に集約されている」と述べた。

 午前10時から午後6時まで。問い合わせは琉球新報営業局(電話)098(865)5200