30日投開票の沖縄県知事選に向け、出馬を表明している衆院議員の玉城デニー氏(58)は10日、那覇市の教育福祉会館で記者会見し、政策を発表した。最大の争点である辺野古新基地建設について「翁長知事の遺志を受け継ぎ、辺野古に新たな基地は造らせない。普天間飛行場の閉鎖・返還を一日も早く実現するよう政府に強く要求する」と強調した。「新時代沖縄」を提唱し、アジアのダイナミズムを取り入れた誇りある豊かな沖縄を実現するために、新たな沖縄振興計画の策定や「観光・環境協力税」の導入などを打ち出した。
玉城氏は「スケール感とスピード感をもって『新時代沖縄』の次なる振興計画を策定し、日本経済再生に貢献し得る方向へと力強く沖縄を導く」と訴えた。
沖縄らしい優しい社会実現に向け、子どもの貧困対策を最重要政策に掲げ、中学・高校生のバス通学無料化や子育て世代包括支援センターの全市町村への設置、保育料の無料化、待機児童ゼロ、「県LGBT宣言」などを打ち出した。
米軍普天間飛行場の辺野古移設に関し、現県政による埋め立て承認撤回を支持し「基地と振興」のリンクでは、誇りある豊かさは実現しないと強調した。日米地位協定の抜本改定を国に求めるとし、具体的には地位協定に基づく航空特例法の廃止などを盛り込んだ。
産業振興策では、翁長県政のアジア経済戦略構想を継承・発展させる形で、アジア全体を市場とするパーツセンターなど臨空・臨港型産業集積の促進、国際医療拠点形成に向けた健康医療分野やバイオ産業の育成などを掲げた。
観光政策では、インバウンド(外国人観光客)誘致を促進する情報通信環境の整備や国内外クルーズ船の寄港、拠点化、母港化整備などを打ち出した。クリーンエネルギーの推進による原発建設反対も掲げた。