豊作の願いコメ、早くも田植え 南城玉城で「親田御願」


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豊作を祈願し、田植えをする人たち=14日午後、沖縄県南城市玉城の「受水走水」(中川大祐撮影)

 琉球の稲作発祥の地とされている沖縄県南城市玉城百名の「受水走水(うきんじゅはいんじゅ)」で14日、玉城仲村渠区の伝統行事「親田(うぇーだ)御願(うがん)」があり、区民らが田植えの儀式を行い豊作を願った。

 旧正月後、初めての午(うま)の日に行われる行事。中国から飛んできた鶴が稲穂を落とし、稲が発芽したとされる「米地(めーじ)」で祈願した後、受水と走水で拝み、「親田(うぇーだ)」と呼ばれる田んぼで区民の男性3人が稲の苗を植え付けた。

 田植えの儀式の後は「 祈(ゆーえー)毛(もー)」に集まり、東西南北に33回ずつ拝む「三十三拝(ぺー)の四方拝(はい)」を行い、田作りから稲の収穫までを歌にした「天親田(あまーうぇーだ)のクェーナ」を歌って豊作と無病息災を祈った。

 仲村渠区の山川晃区長(61)は「苗付けをした3人のうち2人は、稲作復活を目指して若い世代が結成した、区の稲作会のメンバーだ。形だけでなく、気持ちの部分まで伝統継承されている」と喜んだ。