痛快からくり装置創作 那覇・鏡原中2年 棚原さん、動画も


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オリジナル作品「ピタゴラ装置Bコース」を紹介する棚原涼太さん=11日、那覇市

 「ツー、コトッ」とリズムよくビー玉が転がると「カタカタカタ」とドミノが倒れていく。那覇市立鏡原中学校2年生で、特別支援学級に籍を置く棚原涼太さん(14)が作った「ピタゴラ装置」は、アイデアと根気が詰まったからくりが幾つも施され、見る人を痛快な気分にさせる。「学校の友だちに大好評」と語る自信作だ。

 からくり作りに熱中する棚原さん。NHKのEテレで放送中の番組「ピタゴラスイッチ」の人気のコーナーをまねて、小5の時から割り箸や紙コップなど、家にある物で装置を作り始めた。

 今では作品の様子を撮影し、編集までこなして約100本の動画を仕上げるまでに至った。「からくりを作る時も動画制作も、達成感が気持ちいい」

 3歳の時、発達障がいと診断された。いつでもマイペースだが、最近のもっぱらの悩みは(作業後の)片付けが大変なこと。熱中すると、家中がからくり装置とドミノだらけになる日もあるという。

 それでも、母親の智子さん(52)は「洗濯物を取り込む際、誤ってドミノを倒しても怒らない優しい性格」と話し、「興味を持ったら納得するまで向き合う。目標の英検3級も達成した努力家。生活面で足りないところだけ、サポートしていきたい」と優しく見つめる。

 「沖縄で一番の装置を作りたい。一緒に作る友だちもほしい」と棚原さんの創作意欲は尽きない。「水を使ったからくりを作りたい。でも、部屋がびしょびしょになるはず」とちゃめっ気たっぷりに智子さんの顔をのぞく。

 もうすぐ春休み。棚原さんは、新たな作品への着手に意欲を膨らませている。