県系続々 歓迎の輪 きょう前夜祭パレード


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 5年に1度の祭典、第5回世界のウチナーンチュ大会は12日午後4時から海外や県外の県系人約6千人が参加し、那覇市の国際通りで前夜祭パレードを繰り広げる。11日も那覇空港にはブラジル、ハワイ、米国などの国々から、多くの県系人が降り立った。

既に沖縄入りした県系人も多く、親戚や友人と絆を深め合ったり、墓参するなど交流が活発化。参加者を受け入れる県民側は各地で歓迎会などを催し、歓迎・交流ムードが急速に高まっている。
 11日、大会実行委員会は海外県系人を県庁講堂に招き、感謝を込めて約100人を表彰した。招かれたのは、海外の功労者や県人会長をはじめ、居住国・地域と沖縄の懸け橋役を担う新ウチナー民間大使、新たなウチナーネットワークを築く次世代代表の若者たち。
 表彰式の冒頭、大会会長の仲井真弘多知事は、スペイン語、ポルトガル語、英語、日本語、ウチナーグチで「ようこそ」とあいさつ。「皆さんのご活躍に敬意を表したい」と強調し「世界のウチナーンチュを県民の宝と位置付け、ウチナーンチュネットワークを確実に次の世代に継承し、さらなる展開を考えていきたい」と表明した。
 一方、那覇空港は、再会の喜びに包まれた。上原綱正さん(90)はブラジルからの親戚11人を迎えに来た。戦前両親ときょうだい7人がブラジルに渡り、綱正さんだけ沖縄に残った。県内よりブラジルの親類の方が多いという。長男の綱一さん(62)は「いとこだけで30人はいる。その子どもたちも含めるとブラジルの親類は100人以上になるはず」と話した。
 綱正さんは「10回以上、ブラジルに行っている。前回行ったのが10年前。遠いところからよく来たと、つくづく思う」と話し、おいやめいらとの再会に涙を流していた。
 大会メーン会場、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇では、ウチナーンチュ大会とほぼ同じ歴史を持つ那覇市立小禄南小の児童387人が13日の開会式で披露する人文字を練習。本番が待ち遠しい様子で、生き生きとした動きを見せた。

世界のウチナーンチュ大会に合わせ、県庁に招かれた海外の県系人功労者、県人会長、新ウチナー民間大使、次世代代表の若者たち=11日午後、県庁講堂
世界のウチナーンチュ大会開会式に向けた練習で「心からの歓迎と愛」の意を込めたハート形の人文字を作る那覇市立小禄南小の児童たち=11日午前、沖縄セルラースタジアム那覇