ダライ・ラマ 平和の世紀実現願う 講演に3500人


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2度目となる沖縄特別講演で「対話による相互理解」などを訴えたダライ・ラマ14世=11日、那覇市の県立武道館

 チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世を招いた沖縄特別講演「困難を生き抜く力 未来を生きる青年に語る」(主催・ダライ・ラマ法王沖縄招聘(しょうへい)委員会、琉球新報社、沖縄テレビ放送)が11日、那覇市の県立武道館で開かれた。

無料招待の中高生ら645人を含む約3500人が来場した。戦争暴力の被害者が2億人に上った「暴力と流血の世紀」としての20世紀を振り返り、「21世紀をより良い時代にするため、非暴力の実践、対話による相互理解で平和を築く努力が必要だ」と訴え、新世紀を担う若い世代の力に強い期待を込めた。
 「過去は記憶にとどまるだけで、思い悩んでも何の役にも立たない。未来は現在にかかっている」と語り掛けるダライ・ラマ。心を乱す怒りや憎しみ、嫉妬や恐怖といった感情が「私たち」「彼ら」という境界線を生み「人間はそこを土台に利己的な考えにとらわれる」と指摘。「他者の幸せを願ってその責任を背負う時、破壊的な感情は消える」とした。来県は09年に次ぎ2度目。同日午前は糸満市の魂魄の塔、沖縄菩提樹苑、ひめゆりの塔とひめゆり平和祈念資料館を訪れた。

英文→Dalai Lama calls for century of peace