琉球、薩摩 陶芸一堂に 文化交流祭始まる


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第4回文化交流祭「琉球・薩摩現代陶芸展」で作品を鑑賞する来場者ら=23日、浦添市美術館

 沖縄・鹿児島交流400周年を記念した第4回文化交流祭「琉球・薩摩現代陶芸展」(主催・琉球新報社、沖縄・鹿児島文化交流事業実行委員会)が23日、浦添市美術館で開幕した。

同交流祭で陶芸展を開くのは初めて。朝鮮の陶芸に源流を持つ薩摩と琉球の焼物116点を、歴史を超えて一堂にそろえた。入場無料、31日まで。
 開幕式で同実行委の永田和人委員長は「今日、まかれた新しい一粒の種が花を咲かせ、大きな実がなるよう期待している」とあいさつ。鹿児島陶芸家協会の竹之内彬裕(あきひろ)会長も「この機会を次への大きなステップにしよう」と期待を込めた。沖縄陶芸家実行委の島袋常秀委員長は互いの作陶技術を「切磋琢磨(せっさたくま)する好機にしたい」と語った。
 16世紀末の豊臣秀吉による朝鮮出征の後、朝鮮の陶工が日本に連れて来られ、薩摩の琉球侵攻を経て作陶技術が沖縄に伝えられた。これが沖縄の壺屋焼につながった。同日は琉球に陶芸技術を伝えた朝鮮の陶工・張献功(ちょうけんこう)氏を祭った那覇市の「一六(いちろく)墓」前で慰霊祭、交流会なども開かれた。「芸能交流祭」は2月2日午後7時から、那覇市の県女性総合センター・てぃるるで開かれる。入場料1500円(当日2千円)。問い合わせは琉球新報社事業局(電話)098(865)5255。