傷癒え、空へ 昨年保護のクロツラヘラサギ


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関係者の見守る中、けがを治して無事に空に羽ばたいたクロツラヘラサギ=14日、豊見城市の漫湖水鳥・湿地センター(山城博明撮影)

 足にけがを負って餌が捕れずに衰弱していたところを豊見城市の漫湖水鳥・湿地センター職員に保護され、昨年末から那覇市内の動物病院で手当てを受けていたクロツラヘラサギが14日、関係者の見守る中、無事に放鳥された。

同センター敷地内で箱から出されたクロツラヘラサギは、大勢の人が見守る中をしばらく歩いた後、よく晴れた空へと大きく羽ばたいた。
 保護されたのは昨年12月22日、ごみに足を引っ掛けてけがをしたとみられており、環境省那覇自然環境事務所職員の篠崎さえかさんは「これを機に、ごみ問題の啓発もしたい。目で見て不快なだけでなく、野生動物にも影響する」と話した。
 保護されたクロツラヘラサギは昨年夏に生まれた幼鳥とみられ、足に「J16」の個体識別番号を付けて放された。手当てをした県獣医師会野生生物保護対策委員会委員の高良淳司獣医師は「指の付け根にある関節の中まで感染し、だいぶ衰弱していたのでぎりぎりのタイミングで保護できてよかった」と話した。

英文へ→Spoonbill recovers to return to the wild