オスプレイ一般公開 「宣撫活動」批判も 普天間


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一般公開に先立ち、報道陣を対象に行われたオスプレイ見学会=3日午後、宜野湾市の米軍普天間飛行場

 【宜野湾】在沖米海兵隊は3日、米軍普天間飛行場の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを県民向けに初めて公開した。これに先立ち、報道陣にも公開された。県民を対象にした見学会は、報道陣には非公開とされた。

 オスプレイ配備や役割、安全性などを周知する目的で、米海兵隊が「ファミリーのための見学会」として300人を定員に募集したもの。見学は1時間程度。同飛行場の格納庫内にヘリモードと固定翼の状態のオスプレイ2機を並べ、機内の様子も公開された。操縦士や専門家に直接質問する場や、機体の機能、騒音、環境への影響に関するパネル、ビデオ上映もあった。
 那覇市から参加した自営業の男性(40)は「報道の範囲でしか知らないので、しっかり自分の目でも見ようと応募した。説明では特に安全性について強調していた」と語った。
 参加者の車両が出入りした佐真下ゲート前では、オスプレイの配備撤回などを求め市民が抗議した。
 今回の公開について、沖縄国際大の照屋寛之教授(政治学)は「一般市民を巻き込んで反対運動を弱めようとするやり方であり、宣撫(せんぶ)活動そのものだろう」と指摘。「公開されたからといって安全性が高まるものでもない。このような姑息(こそく)な工作自体に新たな怒りが高まるのではないか。見学させるなら、実際の離着陸訓練などの騒音も体験させるべきではないか」と述べた。