産業振興に期待 新石垣空港が開港


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 【八重山】新石垣空港(愛称・南(ぱい)ぬ島空港)が7日午前、開港した。中山義隆石垣市長の開港宣言後、到着第1便となる日本トランスオーシャン航空(JTA)のジンベエジェットが午前8時14分に着陸。

出発初便は全日本空輸(ANA)の那覇行きが8時33分に離陸した。この日は、国際チャーター機も3便到着。基本計画策定から37年を経て、八重山地域の新たな“玄関口”の運用が始まった。真新しい施設をいち早く利用しようと、多くの地元住民や観光客が開港初日の便に搭乗。市街地でも開港を祝うイベントが行われ、祝賀ムードに包まれた。
 出発に先立つ開港宣言式で中山市長は「八重山圏域のリーディング産業である観光業をはじめ、農林水産業の振興発展に大きなインパクトを与えるものと期待している」と述べた。
 旧石垣空港は滑走路が1500メートルで小型機しか使えなかったが、新石垣空港は2千メートルの滑走路を備え、中型機や格安航空会社(LCC)機材が使用できる。ANAは31日から羽田便で中型機を運航する予定。LCCはピーチ・アビエーションが6月から大阪(関西)便、9月から那覇便を就航する。重量制限がなくなり燃料を多く積めるため、宮古や本島を経由せずに本土までの直行便も就航できるようになった。国際線ターミナルも併設し、国際便の就航も可能。初日は大韓航空とアシアナ航空が仁川(韓国)から、復興航空が花蓮(台湾)からそれぞれチャーター機を運航した。
 一方、旧空港跡地には石垣市消防本部が移転する予定。約50ヘクタールのうち国有地が6割、県有地が3割を占めるため、石垣市は県立八重山病院の新築移転を盛り込んだ跡地利用基本計画を昨年3月に策定した上で国、県との連絡協議会で調整を進めている。

放水のアーチで歓迎を受けるJTA初便=7日午前8時14分、石垣市白保の新石垣空港
開港セレモニーでテープカットをする関係者ら=7日午前