小学校で結核66人感染 5人発病、既に回復 那覇市内


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那覇市内の小学校で発生した結核の集団感染について発表する砂川敦健康部長(中央)ら=24日、那覇市保健所

 那覇市は24日、那覇市保健所で記者会見を開き、市内の小学校で結核の集団感染が発生したと発表した。2月25日に男子児童が発病した。さらに66人が感染し、うち5人が発病した。最初に発病した児童は約3週間で退院し、既に回復しており、他人に感染する可能性はないという。

 市は3月に同児童の家族や親類、同学年の児童180人に健康診断を実施した結果、66人に感染していることが判明した。発病した5人も全員回復に向かい、日常生活を送っているという。
 那覇市によると、発病していない感染者61人は普段の生活に支障はなく、服薬治療を続けており、感染が拡大する恐れはないという。学校では学級・学年閉鎖も実施していない。
 最初に発病した児童は2012年6月から、せきなど風邪のような症状が出たため、通院していた。子どもの結核は診断が難しく、2月に入院するまで結核の発病を確認できなかった。
 那覇市の砂川敦健康部長は「結核は発病しても、きちんと薬を服用すれば、多くの患者が完治する。2週間以上せきが続いたら、早めに受診してほしい」と呼び掛けた。
 県健康増進課によると、1993年以降、県内では結核の集団感染が8例あり、このうち感染者が66人に上ったのは最多となっている。学校での集団感染は、2001年1月に北部保健所管内の高校で53人が感染し、うち6人が発病した事例がある。
 県内の新規患者数は、昨年が304人、死亡者は24人だった。同課の糸数公(とおる)課長は「せきが続いても結核をすぐに疑わないため、受診が遅れて発見が遅れるケースがある」と話している。
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