沖縄戦継承誓う 平和座談会 中高生が方法模索


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戦争の悲惨さや語り継ぐことの大切さについて話し合う中高生座談会「語る・のこす・つなぐ平和」=16日、南風原町の南風原文化センター

 沖縄戦体験者の証言を通して何を学び、どう行動するかを考える中高生座談会「語る・のこす・つなぐ平和」(南風原文化センター、琉球新報社共催)が16日、南風原町の南風原文化センターで開かれた。

本紙連載「未来に伝える沖縄戦」で取材に同行した生徒や南風原町子ども平和学習交流事業の卒業生、平和ガイドとして活動する高校生ら計8人が登壇。戦争の悲惨さや語り継ぐことの大切さを共有した。一方で伝える方法や機会について「難しい」「きっかけがない」などの意見が多く、沖縄戦継承の課題も浮かび上がった。
 沖縄戦体験者を取材した松本誉君(那覇市立城北中3年)は「じかに話を聞いたのは初めてで、(内容に)びっくりして気持ち悪くなった」、大湾日菜美さん(沖縄市立越来中2年)は「友達が目の前で亡くなるなんて考えられない」と、驚きを率直に語った。
 「沖縄戦について家族や友達と語り合ったことはあるか」との質問に対しては、ほとんどの生徒が「悲しい戦争の話を積極的にすることはない」と述べた。
 沖縄陸軍病院南風原壕の平和ガイドとして活動する與座杏野さん(県立首里高校2年)は「私の祖父母も体験者ではなく、身近に話を聞ける人がいない。そういう時代に来ている。ガイドを通じて語り継いでいきたい」と話した。
 糸満市立三和中3年の前門梨香さんは「戦争体験者が苦しい経験を思い出して語ってくれたことを無駄にしたくない。今後、本土や他の地域の人たちと接する機会がいろいろあると思うので、その中で伝えていきたい」と語った。
 会場には沖縄戦体験者や子どもたちが訪れ、熱心に耳を傾けていた。