ダウ社ドラム缶、新たに7本 沖縄市サッカー場


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 【沖縄】ベトナム戦時の枯れ葉剤製造最大手企業の「ダウ・ケミカル社」の社名が記されたドラム缶が米軍基地の返還跡地である沖縄市サッカー場の地中から発見された問題で、沖縄防衛局と沖縄市は2日、同サッカー場の敷地内から、白色の帯模様や、ダウ社の社名のある計7本の新たなドラム缶を発見した。

国と市は同日、土壌調査に着手。新たなドラム缶の発見を受け、国と市は「徹底した調査が必要」との認識を示し、敷地内を全面的に調査する可能性も含めて、国と県、市の3者で今後の対応を協議する。
 国と市の委託を受けた調査専門業者らが2日午前、検体確保のため重機で現場周辺を掘削した際、地下約1メートル付近で新たなドラム缶を発見。缶は全体的に赤さび、一部腐食してつぶれた状態で見つかった。容量は30ガロン(約114リットル)とみられる。特に異臭を発してないが、周囲には液体がたまっていた。
 枯れ葉剤の一種で、発がん性物質を含む「エージェント・ホワイト」は容器に白帯があるという特徴がある。枯れ葉剤に詳しい専門家は「現段階で特定は難しい」と指摘する。
 国と市は、発見した7本のうち3本を回収。残り4本はアスファルトで整備された地面下にあり、崩落の危険があることから埋め直して現場で保存した。
 2日の調査で、1日までに発見されたドラム缶の数は19本と判明。国と市は新たに回収した3本と合わせ、計22本のドラム缶から、それぞれ検体を確保。新たな現場の地面から液体も回収して分析調査する。調査結果判明に1カ月程度掛かる見通し。
 沖縄防衛局の三沢大輔返還対策課長は「県、市と調整をして適切に対応したい」と述べ、徹底した調査に取り組む考えを示した。
 調査では、沖縄防衛局や沖縄市、市議会の関係者らが見守る中、調査専門業者らが、防護マスクや防護服を身にまとって作業する姿が見られた。

新たに発見された白い帯模様が入ったドラム缶。右側にはたまった液体が見られる=2日、沖縄市諸見里
防護マスクや防護服に身を包み、ドラム缶から検体を採取する土壌調査専門業者の関係者ら=2日、沖縄市諸見里