防衛省が鉄柵設置 普天間基地・野嵩ゲート


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 【東京】日米両政府は22日の日米合同委員会で、米軍普天間飛行場の第3ゲート(宜野湾市野嵩)にフェンス(境界柵)を設置することを承認した。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ初配備をめぐり、昨年9月に配備に反対する住民らが座り込みなどで第3ゲートを封鎖し、飛行場から市内への出入りができなくなったのを受け、米軍が日本政府に対し柵の設置を要請していた。

防衛省は22日午後8時ごろ、工事に着手。ゲート前で抗議行動をしてきた住民らが反発し、作業員ともみ合うなど現場は度々、騒然となった。
 オスプレイ配備に反対する関係団体からも批判の声が上がっている。柵は第3ゲートに隣接する国道330号の歩道沿いに約20メートルにわたり設置され、従来のフェンスと道のスペースをなくす予定。
 工事費用は約200万円。「基地を提供する責任から必要」(防衛省)とし、日本政府が施設管理測量等工事費として支出する。
 防衛省によると、随意契約を結んだ業者が1週間ほどをかけて工事する。
 防衛省は「米側から第3ゲートからの出入りに当たり、支障が生じていることから、通行確保のためのフェンスを設置してほしいとの要望があった。日本側も検討した結果、合意した」と述べるにとどめた。この時期の工事着手の背景には、8月上旬の追加配備を控え、住民運動への懸念や参院選への影響を避けたいとの思惑があるとみられる。
 県の又吉進知事公室長は「トラブルが起きているのかも含めて、事実確認をしたい」と述べた。
英文へ→Ministry of Defense builds fences at Futenma

フェンス設置に抗議する住民らと、それを抑えようとする警察官=22日午後11時48分ごろ、宜野湾市の米軍普天間飛行場野嵩ゲート