オリバー・ストーン監督講演 「戦争終わっていない」


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戦後60年以上にわたって沖縄に米軍基地が置かれ続ける状況を批判するオリバー・ストーン氏=14日午後7時半ごろ、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟

 ベトナム戦争をテーマとした映画「プラトーン」など社会派の作品で知られる米映画監督のオリバー・ストーン氏による講演会「琉球新報創刊120年記念 オリバー・ストーン 基地の島 OKINAWAを語る」(琉球新報社主催、沖縄テレビ放送協力)が14日夜、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟で開かれた。

ストーン氏は在沖米軍基地を見て「(冷戦構造と)全く変わっていない。米国、日本、沖縄という関係の中でまだ戦争が終わっていないという印象を持った」と強調し、冷戦終結後20年以上たっても基地が存続し続けることを疑問視した。
 講演に先立ち、名護市辺野古を視察したストーン氏は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「この美しい海は絶対埋めさせてはいけない」と反対する姿勢を示した。
 講演では、実際に辺野古の海を見て「海にはサンゴや魚など自然が豊かな所だ」と感想を述べた。「ここに米軍が基地を建設することは恥ずかしい。基地が建設されれば、場所が荒らされ、醜くなってしまう。文化的にも影響を受けてしまう」と強調し、建設によって自然や文化に悪影響を及ぼすことを懸念した。
 また「基地が戦後60年以上も居座り、加えて辺野古の海に埋め立てをしようとしている」「中国を脅威視すれば、緊張を高めるだけだ」と疑問視した。
 パネルディスカッションでは、大田昌秀元県知事、米アメリカン大のピーター・カズニック教授、ピース・フィロソフィーセンターの乗松聡子代表を交えた4氏が討論した。ストーン氏やカズニック氏は、米国の覇権主義を批判し、米政府が沖縄の負担軽減を唱えながら実現できないことに「大統領や政治家を信じてはいけない。政府はうそをつく」と話した。
 会場には1700人が訪れ、ストーン氏やパネリストの主張や持論に聞き入っていた。
 オリバー氏らは15日午前に那覇市天久の琉球新報社で記者会見し、その後那覇空港から帰国の途に就く。
英文へ→Oliver Stone says the war isn’t over in Okinawa
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