響き合う音楽しもう 那覇Jrオケ結成


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 たくさんの人で楽器を演奏して、音楽の楽しさを共有できる「オーケストラ」を知っていますか? きらびやかな響きを持つ弦楽器、小鳥のさえずりやおどけた様子を表現するのが得意な木管楽器、華やかなファンファーレに欠かせない金管楽器、多様なリズムでメリハリを付ける打楽器がそろうオーケストラは、壮大な音楽の魅力を味わうには最高の舞台です。

8月に発足した那覇ジュニアオーケストラ(以下、NJO)は、たくさんの子どもたちに演奏する楽しさを知ってもらおうと組織されました。10月13日に那覇市内で行われた初練習の様子を紹介します。

<憧れの楽器演奏したよ>
 NJOはプロ奏者で組織する琉球フィルハーモニー管弦楽団(以下、琉フィル)が運営・指導に当たる全国的にも珍しいオーケストラです。
 NJOでは、たくさんの子どもたちにクラシック音楽のファンになってほしいという思いから、入団の際に経験を問いません。初練習に参加した21人のほとんどは、この日初めて弦楽器を手にし、ドキドキワクワクしている様子です。
 「弓を自分の手のように動かして」「たくさん弾いて、寝ている楽器を起こしてあげよう」と小学校低学年グループを指導するのは、琉フィルコンサートマスターの宮良美香さん(44)です。憧れの楽器を手にした子どもたちは、真剣な表情で練習に取り組みます。
 団員募集のチラシを見て入団を決めた喜友名真穂さん(与那原小6年)は「みんなで音楽を作り上げていくことに挑戦したい」と意気込んでいます。

<プロ演奏と触れ合いも>
 経験者のグループを指導するのは、音楽監督の藤野栄介さん(48)=琉フィル首席客演指揮者=です。藤野さんをはじめ、琉フィルと共演するプロの指揮者や演奏家との触れ合いもNJOの魅力の一つです。
 練習の最後に行った合奏では、モーツァルトの「ディベルティメント」の一節を演奏しました。別々に練習していたときには分からなかった曲の全体像が現れると「こんな曲だったんだ」「ちゃんとできた」と声が上がり、子どもたちの顔に達成感が浮かびます。
 経験者で最年少の古波蔵明莉さん(泊小1年)は「緊張しないで弾けた。バイオリンの優しい音をみんなで楽しみたい」とにっこりしました。

<素晴らしい世界知って>
 団長の上原正弘さん(48)=琉フィル代表理事=は「NJOの中から、内外で活躍する演奏家が出るとうれしい」と期待しています。藤野さんは「オーケストラでは演奏してそれぞれの使命を果たし、より良く表現するために聴き合う。音楽の素晴らしい世界を知ってほしい」と熱く語ります。
 NJOは今後、月に2回の練習を重ね、2014年6月ごろに演奏会を開く予定です。
 憧れの楽器を手にした子どもたちの表情には、これからみんなで経験する音楽への期待があふれています。(当銘祥子)
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弦楽器の団員募集
 NJOでは弦楽器の団員を募集しています。対象は小学1年生~高校2年生。詳細や問い合わせは(電話)050(3704)7812(事務局)。管楽器や打楽器パートは後日募集予定。

藤野栄介音楽監督の指揮で合奏する那覇ジュニアオーケストラの子どもたち=10月13日、那覇市久茂地
憧れのバイオリンを手に真剣な表情で練習する子どもたち