辺野古 きょうブイ設置 抗議排除へ巡視船集結


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浮桟橋の設置現場で行われたブイの搬入作業=13日午後2時20分、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設計画で、沖縄防衛局は18日にも海底ボーリング調査を開始する方向で調整に入った。調査地点周辺を囲う形で設置するブイ(浮標灯)やフロート(浮具)の設置作業は14日早朝に開始する予定。立ち入りを制限するための構造物を海上に設置するのは初めて。移設に反対する市民らの海上での抗議活動を排除する狙いがあるとみられる。14日の作業開始に備え、海上保安庁の巡視船も全国から沖縄に集結。13日午後の時点で11隻の巡視船が金武湾で確認された。海上でブイ設置作業に抗議する市民らを安全指導の名目で事実上排除する構えだ。

 ボーリング調査に向け、防衛局は16日にも埋め立て部分の起点となるキャンプ・シュワブ沿岸部2カ所で調査に必要な単管足場(やぐら)の設置作業に着手する方針。作業進ちょく状況や気象条件でずれ込む可能性もあるが首相官邸側の指示もあり、急ぎたい考え。
 台風の接近で当初予定していた7月内の海上作業開始が延期されていたが、ブイを海上に運ぶための浮桟橋が11日に再設置されたほか、13日にはブイが沿岸部まで運搬されたことで、準備はほぼ整った。
 さらに沿岸部の複数の岩にロープを巻き付ける様子も確認された。市民らは立ち入り制限水域の起点とみている。
 13日午後2時ごろ、午前中に沿岸部に搬入したブイとフロートがトラック1台から下ろされた。ブイは黄色の浮き2個とアンカーブロック片が1組になっており、5人の作業員が11組を浜辺に並べていた。オレンジ色の筒状の大型ブイも複数搬入されている。ブイなどについての関連作業は約1時間で終了した。
 午前10時すぎから同11時ごろにかけ、オレンジ色のフロートにつながった白いロープを沿岸部の少なくとも二つの岩に巻き付ける様子が確認された。一つは大浦湾側で幅約3メートル、もう一つは辺野古漁港側で幅約6メートルあり、作業員6人でロープを固定していた。
 ボーリング調査の作業期間は11月30日まで。辺野古沖の21地点を掘削する海底地質調査に11日間、船を使った磁気探査に40日間、潜水での磁気探査に140日間を予定。海上の9地点に単管足場、水深の深い12地点にはスパット台船を配置する。