「普天間、早期返還を」 知事選で仲井真氏が公約発表


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 11月16日投開票の県知事選(10月30日告示)への3選出馬を表明している仲井真弘多知事(75)は18日、那覇市内のホテルで記者会見し、政策を発表した。米軍普天間飛行場の「一日も早い危険性除去」と「早期返還」を訴え、5年以内の運用停止を含めた基地負担軽減策の促進を強調。21世紀ビジョンの実現へ「全国並みの完全失業率」「県民所得の全国の中・上位への引き上げ」などの目標に向けた産業振興策、本島縦貫鉄道の実現などを掲げた。

仲井真氏は「沖縄社会の難しい部分に正面から取り組む」と述べ、子どもの貧困対策や子育て施策充実も打ち出した。
 普天間の辺野古移設については「普天間基地の危険性除去を優先したものだ」と評価。「現実的に前へ前へ進むことを考えてやっていく」と推進する考えを示した。嘉手納より南の米軍基地返還・統合計画の前倒しを求め、跡地利用を促進する考えを強調した。
 中学3年までのこども医療費無料化、給食費無料化などを通した教育費負担の軽減を掲げた。「5年間で待機児童ゼロ」や「子どもの学力全国上位」などの目標も訴え、教育・福祉施策に取り組む姿勢を示した。女性の社会進出に向け「子育て担当部署」を創設するとした。
 離島や過疎地域の定住条件整備に向けて「ユニバーサルな行政サービスが受けられる社会」を打ち出した。「医師確保基金」創設などの医師の安定確保策を盛り込んだほか、若者が離島に戻れるよう「若年者起業支援制度の創設」にも取り組むとした。
 政府の新たな成長戦略で沖縄県が国際観光地形成を目指す「国家戦略特区」に指定されていることを踏まえ大型テーマパーク誘致などを通して「観光客数1千万人超、観光収入1兆円」を目指す。市町村振興の施策では、沖縄振興一括交付金の市町村分に設けられている「特別枠」を倍増させる方針を示した。

政策を発表する仲井真弘多氏=18日、ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー
仲井真氏の政策骨子