「不当逮捕」500人抗議 名護署囲み


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名護署を取り囲み、拘束された山城議長らの解放を訴える市民ら=22日午後5時37分、名護市東江

 「不当逮捕だ」「仲間を返せ」―。22日の名護市辺野古への新基地建設に抗議する県民集会の直前、抗議運動をけん引してきた沖縄平和運動センターの山城博治議長ら2人が米軍側に拘束、刑特法違反の容疑で名護署に逮捕された。

名護署には山城議長らの拘束に抗議する議員や市民約500人が集まり、怒りの声を上げた。
 山城議長らが米軍側から名護署に引き渡されたとの情報を受け、県民集会を終えた参加者らが駆け付け、名護署の周囲を取り囲んだ。署の門では県警の機動隊約50人が警戒。市民らは署長による説明も求めたが、市民の前に姿を見せることはなかった。ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は2人の拘束について「米軍による県民の運動への不当な弾圧だ」と述べた。
 拘束直前、一緒に抗議行動に参加していた宮古平和運動連絡協議会の清水早子共同代表は「転んだ人を助けようと複数の人が取り囲み、誰がラインを越えているか分からない混乱した状況だった。2人だけを拘束したのは恣意(しい)的だ」と指摘し、「反対運動を抑え込むために狙い撃ちしたのではないのか」といぶかった。
 拘束された男性の兄も名護署前に駆け付けた。「後ろから引き倒したと言うのはもはや暴力で不当だ。拘束の根拠も曖昧で納得できない」と憤った。名護署前で2人の解放を訴えた宮城千恵さん(56)は「(防衛局などが)テント撤去を求めたこととつながっている。市民運動けん制では」と話した。