翁長知事、外務省に辺野古調査再要求 許可外の岩礁破砕


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記者会見で岩礁破砕などについて説明する翁長雄志知事=20日午前、県庁

 翁長雄志沖縄県知事は20日の記者会見で、沖縄防衛局が名護市辺野古沖の海底に設置したコンクリートブロックがサンゴを傷つけている問題について「(県が許可した範囲外の)岩礁破砕そのものであるという印象を受けている。蓋然(がいぜん)性が高い」と述べ、岩礁破砕許可の取り消し要件となる可能性をあらためて指摘した。その上で現場海域を調査するため米軍に求めている臨時制限区域内への立ち入り許可について、外務省に米側と調整するよう19日に申し入れたことを明らかにした。

 県は2月下旬に制限区域外から調査し、サンゴの破壊を1カ所確認しているが、県が求めた制限区域への立ち入りを米軍は拒否している。翁長知事は「(米軍が拒否の理由とした)運用上の問題があるとは到底理解し難い。調査さえできないことは不合理極まりない」と強く批判した。
 許可区域外で岩礁破砕が行われていないかを確認するため、県はボーリング調査が進められている辺野古沖に監視船を出すことも検討している。
 翁長知事は再申請に対する政府や米軍の対応について「誠意ある対応が求められるが、そうならなければ一つの判断材料になるのかなという感じもする」と述べ、許可取り消しの判断材料の一つになり得るとの考えを示した。
 米軍機からの部品落下が相次いでいる問題については「(米側から)市町村に説明に行くということができないか考えている」と述べ、事故のたびに県から抗議に出向くのではなく、米側が説明に来る形を取れないかを米側に求めることも検討していると説明した。
 3月末返還のキャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区に導入が検討されている重粒子線治療施設について「公約にはなかったと思うが本格調査はこれからだ。方向性を考えていきたい」と述べ、幅広い検討を進める考えを示した。