大浦湾でブイの鎖、サンゴに傷 市民団体が確認


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 【辺野古問題取材班】新基地建設に向け、政府が海底掘削(ボーリング)調査を進める名護市の大浦湾で、台風9号の影響で流された浮標灯(ブイ)設置用のコンクリートブロックが海底やサンゴを傷つけた恐れがあるとして14日、ヘリ基地反対協議会ダイビングチームレインボーが潜水調査した。ブイを固定する鎖がサンゴに何度もぶつかり傷つけている様子が確認された。

 この日は水中が濁っており、十分な調査結果は得られなかった。レインボーの牧志治代表(65)は「広い範囲でサンゴに傷がついているだろう。安全第一で調査を続けたい」と話した。
 一方、沖縄防衛局はこの日正午ごろ、台風9号の影響で沿岸に打ち上げられていた油防止膜(オイルフェンス)を回収した。所々亀裂が入っており、オイルフェンスの中に入っている浮きが飛び出したものもあった。防衛局は「再度使用できるものについては利用する」と説明した。
 昨年10月の台風でも浮具(フロート)やブイを固定していたアンカー120個が流され、サンゴや海草藻場を破損した。防衛局が設置した環境監視等委員会のことし1月の会合で「事前にフロートを撤去するなどの対策もある」などの指摘が委員から上がっていた。

サンゴに何度もぶつかり傷つける浮標灯(ブイ)の鎖=14日午前、名護市大浦湾(花城太撮影)