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宜保榮治郎さん死去 元県立博物館長で琉球舞踊保存会顧問 89歳


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
宜保榮治郎さん

 沖縄芸能研究家で、元県立博物館長の宜保榮治郎さんが4日午後0時39分、老衰のため浦添市内の病院で死去した。89歳。名護市屋部出身。自宅は那覇市首里。告別式は来週以降に執り行う予定だが、日程は未定。

 宜保さんは、1934年生まれ。国学院大文学部卒。高校教諭や県教委文化課長を経て、92年に県立博物館長に就任。95年に沖大教授。

 琉球舞踊保存会顧問、伝統組踊保存会顧問、国立劇場おきなわ常務理事、県文化財保護審議会会長などを務めた。沖縄の文化財保護行政で沖縄文化の普及や啓発活動に尽力し、県の文化振興に貢献した。2019年度の県文化功労者(文化・芸術)。

 国立劇場おきなわが開場する際には専門委員を務め、組踊伝承者養成研修事業などの立ち上げに携わった。地域の民俗芸能も研究し、名護市史の編さんにも携わった。

 著書に「琉球舞踊入門」「エイサー」「三線のはなし」「組踊入門」、自身の沖縄戦体験をつづった「軍国少年がみたやんばるの沖縄戦」など。

 (田吹遥子)