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大型MICE施設 28年度の完成目指す 沖縄県、PFI事業者の選定に向け10月に整備方針


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎

 玉城デニー知事は25日の定例会見で、与那原町と西原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区に整備する「沖縄県マリンタウン国際会議・大型展示場整備運営等事業」について、実施方針を10月までに策定し、同月、公表すると発表した。総事業費は350億円。民間の資金やノウハウを導入するPFI方式で整備し、民間事業者の負担は半分以下となるという。入札公告などを2024年度に始め、民間事業者との契約が25年までに成立すれば、28年度に施設が完成する。

 25年度に事業契約となった場合、設計に1年、施設整備に2年半で、計3年半がかかる。施設の機材や人員確保などが必要なため、開業時期は検討中。県は運営と維持管理について事業者と20年間の契約を交わす予定。

 民間事業者の負担について、県のMICE推進課の担当者は「半分には満たない」と説明した。事業者を選定できなかった場合、条件を変更して再度募集する。

 県は当初、国の一括交付金を財源にした「大型MICE受入環境整備事業」で、20年の利用開始を目指していた。だが、採算性などを疑問視した内閣府が交付を認めず、頓挫した。その後、新事業として計画を立て直し、PFI方式を用いた事業の基本計画を昨年8月に策定した。

 県によると、大型MICE施設での国際会議などの開催件数は年間233件、利用人数は98万人を見込んでいる。

 経済波及効果は、開催に伴う飲食や観光などの直接効果が352億円、間接効果は199億円の合計551億円と試算している。

 MICE施設のメイン展示場の面積は当初、約3万平方メートルとしていたが、3分の1となる約1万平方メートルに縮小した。県は「催事を行う事業者を対象にした需要調査と収支を勘案し、計画を見直した。合理的な規模が1万平方メートルだ」と説明した。
(與那覇智早)