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【争点表あり】沖縄の辺野古訴訟、最高裁であす判決 敗訴で想定3パターンとは


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 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡り、国土交通相が県へ承認するよう「是正の指示」を出したことの違法性が争われた訴訟は4日午後3時、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)で判決が言い渡される。是正指示を適法と判断し、県敗訴とした3月の福岡高裁那覇支部判決の変更に必要な弁論が開かれず、県敗訴が維持される可能性が高い。

新たな護岸建設が始まった辺野古の新基地建設現場=2022年3月27日午前10時40分ごろ、名護市

 敗訴すれば、県は承認する法的義務を負い、対応を迫られる。その場合、県は(1)変更申請を承認(2)承認を拒否し、国が代執行訴訟を提起(3)別の理由に基づく不承認や埋め立て承認の再撤回―の3パターンが想定されている。

 高裁判決は、県の不承認に裁量権の逸脱・乱用があるなどとして請求を棄却。県は変更申請について災害防止要件や環境保全要件、国土利用上適正かつ合理的要件、変更の「正当の事由」要件を欠くと訴えていた。国は県の主張には理由がないなどと反論していた。

 設計変更は、防衛局が2020年4月、大浦湾の埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事のため、県に申請。県は21年11月、軟弱地盤の調査が不十分であることなどから不承認とした。国交相は22年4月、不承認を取り消す裁決をし、さらに承認するよう求める是正指示を出した。

 国地方係争処理委員会の審査を経て県は22年8月、裁決と是正指示の関与取り消しを求めて2件の訴訟を高裁那覇支部に提起。高裁が23年3月に県の訴えを退け、県は上告していた。最高裁は23年8月、裁決の妥当性が争われた訴訟で、県の上告を受理しないと決定し、県側敗訴が確定した。

 辺野古を巡る県と国の訴訟はこれまで13件提起された。県が不承認処分の効力回復を求めた抗告訴訟は那覇地裁で、軟弱地盤からのサンゴ類移植訴訟は高裁那覇支部で係争中となっている。