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「体温ある音」楽しんで イタリア拠点の打楽器奏者、古堅志希 17日に沖縄・宜野座で公演


「体温ある音」楽しんで イタリア拠点の打楽器奏者、古堅志希 17日に沖縄・宜野座で公演 マリンバを演奏する古堅志希(提供)
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 イタリアのオーケストラで活動する沖縄市出身の打楽器奏者、古堅志希(もとき)(22)による「EQUILIBRIOと嵐」が17日、宜野座村文化センターがらまんホールで午後3時からある。国際コンクールで1位に輝くなど「沖縄打楽器界の超新星」との呼び声も高い古堅。「音楽はみんなのもの。観客に喜んでもらえる演奏をしたい」と語る。

 古堅は、中学の吹奏楽部で打楽器を始めた。コザ高時代に琉球新報音楽コンクール打楽器部門で最高位を収めるなど頭角を現し、国立音大へ進学。大学1年でイタリア国際打楽器コンクールスネアドラム部門1位を受賞した。

 受賞を機に音大を退学し、2021年にイタリアの国立音楽院に入学。昨冬に劇場専門のオーケストラ団員に採用され、大学と演奏ツアーを両立する日々だ。

公演をPRする(左から)打楽器奏者の古堅志希、リッカルド・クルチョ=5日、那覇市泉崎の琉球新報社

 念願だったオペラの演奏に打楽器として携わる古堅は「体温のある音を出したい」と語る。オペラでは登場人物の感情通りに音を出す難しさがある。「同じリズムでもイントネーションがある。シンバル一つでオーケストラの方向性を変える。職人芸的なところが面白い」と目を輝かせる。

 生活の中に音楽があるイタリア。音楽への敷居の低さが意識を変えた。「ジャンルも客層も広がった。前は『タンバリンなんて誰でもできる』と言われ、何も分かってないと切り捨てるだけだったが、今はそう話す人にこそ聞いてほしい」

 公演では、同じ音楽院に通うビブラフォンの名手、リッカルド・クルチョとのデュオも披露する。クラシックからヒップホップまでジャンルは幅広い。「2人の文化の融合やバランスを聞いてほしい」と話した。チケットは前売り3千円など。問い合わせは同ホール電話098(983)2613。

 (田吹遥子)