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「辺野古問題」映画で世界に発信 ハワイ在住の沖縄系4世、ロバート梶原さん 来春公開


「辺野古問題」映画で世界に発信 ハワイ在住の沖縄系4世、ロバート梶原さん 来春公開 沖縄の現状を訴えるドキュメンタリー映画を作成しているロバート梶原さん=8日、琉球新報社
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 米ホワイトハウスに名護市辺野古の新基地建設に反対する請願署名を呼びかけた県系4世のロバート梶原さん(37)が、沖縄の現状を国際社会に訴えるドキュメンタリー映画の制作を始めた。14日まで県内に滞在して撮影を行い、来春までの公開を目指している。

 米ハワイ在住の梶原さんがホワイトハウスへの請願署名を呼びかけたのは2018年12月。名護市辺野古の新基地建設の是非を問う県民投票が行われた19年にかけて21万超の賛同が集まった。その後も国連人権理事会などで沖縄を取り巻く問題について問題提起を続けている。

 「県民投票で7割以上が反対を示しても、沖縄を無視している」

 梶原さんはこの5年間の日米両政府の姿勢を批判する一方、「国連は同情的で、抑圧されたところに目を向け、サポートしてくれている」と感じてきた。

 国連に集まるNGOなどと意見交換するなかで、「言葉だけでなく、映像を見せながら説明することは効果がある」と意気投合。NGOの支援を得て、ドキュメンタリー映画を制作することになった。

 今月1日に来県した梶原さんは、沖縄に集中する軍事施設や辺野古新基地建設現場の様子のほか、首里城復興祭や世界遺産などの文化についても撮影している。

 来年2~3月にある国連人権理事会のサイドイベントで、15分程度のダイジェスト版を公開することを目指している。最終的に90分のドキュメンタリーに仕上げる考えだ。

 「国際社会では沖縄への関心が高まり、『平和の発信地』として大きな役割を果たしているとみている」と語る。

 梶原さん自身も辺野古で座り込みをしている女性から贈られた三線を演奏できるようになった。「ドキュメンタリーを通して、ウチナーンチュの目線や心に基づいた沖縄の姿を紹介していきたい」と意気込んでいる。

(南彰)

11月12日に講演会

 ロバート梶原さんを招いた講演会が12日午後2時から那覇市国場の沖縄大学同窓会館で開かれる。演題は「琉球独立へのアクション」で、資料代1000円。学生無料。問い合わせは、主催の琉球独立実践ネットワーク(電話)080(9247)1215。