沖縄研究の先駆者、東恩納寛惇の功績をたたえ、沖縄を対象とした史的研究の発展に顕著な功績を挙げた研究者に贈る第41回東恩納寛惇賞(琉球新報社主催、第一書房後援)に、元琉球大教授の故真栄平房昭(ふさあき)氏(那覇市出身)が決まった。専門は歴史学。琉球をめぐる東アジア交流史研究に取り組んだ。
選考会では、真栄平氏の論文が国内外で多く引用されていると指摘されたほか、「幅広い学問を蓄積した東恩納寛惇に近い学問領域を築き上げた」などと評価された。
真栄平氏は琉球大卒、九州大大学院博士後期課程単位取得満期退学。神戸女学院大教授、琉球大教授を歴任した。肺がん闘病中の2020年にこれまでの研究をまとめた大著「琉球海域史論 上下巻」を発刊。21年に伊波普猷賞を受賞。23年12月30日に67歳で死去した。故人の東恩納寛惇受賞は2例目。
父の故房敬(ぼうけい)氏も1996年に首里城の生活史的研究で東恩納寛惇賞を受賞している。
贈呈式は3月13日午後6時半から那覇市泉崎の琉球新報ホールで開く。
(伊佐尚記)