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理解したい思い込め エッセー集「ディープ・オキナワ」 NHK・渡辺考さん発刊


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理解したい思い込め エッセー集「ディープ・オキナワ」 NHK・渡辺考さん発刊 著書「ディープ・オキナワ」をPRする渡辺考さん
この記事を書いた人 Avatar photo 当銘 千絵

 NHK沖縄放送局チーフディレクターで作家の渡辺考さんのエッセー集「ディープ・オキナワ」が、かもがわ出版から発刊された。沖縄局への赴任を機に2021年から那覇市壺屋に住み、沖縄の歴史や文化を多角的に見つめてきた筆者が、何気ない日常や地元住民との温かな交流を通して知る“ガイドブックには書かれていない沖縄の姿”を、軽妙なタッチでつづっている。

 「『いつかは沖縄移住を』を合言葉に、長年、沖縄を思い続けてきました」。渡辺さんはこれまでディレクターとして沖縄戦や安保改定50年の節目、沖縄サミットなどを取材してきた。拠点だった福岡から足しげく通う度に新たな発見があり、より深く沖縄を知りたいとの思いが強まったという。

 南国情緒あふれる街並みや青い海、独自の文化―。沖縄を語る上で欠かせない魅力は数あるが、それと同時に、沖縄戦の記憶や今なお県土を占拠する米軍基地の存在なども忘れてはならない現実として突き付けられた。

 本著では沖縄の歴史や文化の紹介にとどまらず、“ヤマトンチュ”の著者が見て、体験して、感じたことなども赤裸々に記している。

 渡辺さんは「県外出身者の自分が、沖縄を分かったつもりであれこれ勝手に書いたガイドブックではない」と念を押す。沖縄について知れば知るほどその奥深さや、一筋縄ではいかない複雑さなどを感じているという。その上で「一つでも多くを知りたい、理解したいという希望を込め、1冊にしたためた。ナイチャーから見た沖縄がどう映っているのかを知りたい人や、これから沖縄のことを知りたい人、県外からの移住者などに気軽に読んでほしい」と述べた。

 税込み2200円、県内の書店やオンラインショップで購入できる。

 (当銘千絵)