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亡き「ターボ」への思い、音に込め アルベルト城間さんらビッグバンドと共演 沖縄


亡き「ターボ」への思い、音に込め アルベルト城間さんらビッグバンドと共演 沖縄 「Double Dealing Woman」を演奏する真栄里英樹BIGBANDと指揮者の真栄里英樹、歌うアルベルト城間=5月3日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉手苅 友也

 真栄里英樹BIGBAND「Tarbo’s Melodies」(沖縄コンベンションセンター主催)が5月3日、宜野湾市の同センター劇場棟で開かれた。ゲストにアルベルト城間、トム仲宗根、ジョージ紫、DAVID RALSTON(デイビット・ラルストン)など、ディアマンテスのギタリスト・故ターボに縁のあるミュージシャンを招き、ターボやゲストの楽曲を披露した。17人編成のビッグバンドならではの各自ソロパートを組み合わせ、多彩なアレンジで、激しく、時にはしっとりと、胸が震える音圧を会場に浴びせた。ターボへの思いを語りながら進行した。

 1部はサウンドのみで、スウィングジャズでおなじみ「In the Mood」を皮切りに、グルーブ感が会場に高揚感をもたらした。2曲目から早速ターボの「SHINING ROAD」を披露。ビッグバンドの多彩さと音の厚みで、曲の新たな魅力を引き出した。ターボがディアマンテスの着想を得たラテン・ロックバンド「サンタナ」の曲「Soul Sacrifice」では、玉城チコ(パーカッション)が登場し、打楽器の原始的かつ情熱的なリズムを奏で会場から手拍子が起きた。ターボ「OCEAN」と「Sing Sing Sing」では當間嗣篤(ドラム)も登場。2台のドラムが交互にたたき合う見せ場で盛り上げた。

 2部はターボの「Viva!B.C Street」で始まった。

 ジョージ紫が登場し、ハモンドオルガンの変幻自在な音色でスパイスを加えた。紫「Double Dealing Woman」は、アルベルトとMERRY(メリー)が歌った。2人のパワフルな歌声にボルテージはさらに上がった。ターボ「HORIZONTE 水平線」はピアノソロでムーディーに。真栄里は「きれいな曲はどんな楽器で演奏してもいい。いいメロディー、歌は受け継いでいかないといけない」と語った。

 「No Woman No Cry」「てぃんさぐぬ花」を、デイビットが「彼を恋しく思います。ターボ大好き」と語りながら最大限の気持ちを込めて歌い、じょじょ(サックス)は天まで届かせるように音を飛ばした。

 ターボ「バッフォ・エル・ソル」では、アルベルトが「ターボのメロディーは熱いものもたくさんある」と語り、ビッグバンドの勢いある演奏の中、熱気を放ちながら歌った。「勝利の歌」では会場全体が手を横に振り最高潮に。アンコールで披露したデビューアルバムの曲「JINGO」を全員で陽気に演奏し締めくくった。

 終始気持ちのこもったパフォーマンスに、会場からの拍手は鳴りやまなかった。

 (嘉手苅友也)