今年、開業40周年を迎える那覇市上之屋の画廊サエラで、企画展「Collection展」が20日まで催されている。ギャラリーを主宰する松岡勇さん・ことみさん夫妻が、画廊の仕事を通してその時々に出合った絵画や陶磁など、近現代作家の作品27点を厳選して展示する。
サエラは1984年に那覇市安里で産声を上げ、2010年に現在の上之屋へ拠点を移した。開業以来、油絵を中心に県内外の著名作家をそろえる企画展を定期的に開催するなど、県内屈指の老舗画廊の一つとして沖縄美術界を盛り上げてきた。
40年の歩みの集大成とも位置付けられる今回の企画展では、濱田庄司や葛飾北斎、アンディ・ウォーホルのほか、儀間比呂志や宮城健盛など沖縄を代表する作家の作品も並ぶ。中でも希有な存在感を放つのが、油彩画家・鳥海青児が戦前の沖縄で描いた「琉球の女」(1940年作)。シンプルなデッサン画だが、80年余の時を経ても色あせない不思議な魅力が詰まっている。
松岡さんは「紆余曲折ありながらも、さまざまな作家や作品と巡り会えた40年だった。サエラが歩んだ40年の軌跡を見ていただきたい」とPRした。
企画展は午後1時~5時。問い合わせは同画廊、電話080(1533)3859。
(当銘千絵)