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22歳の内嶺彩華さんが最年少女性バス運転手に 第一交通 運行管理者資格も取得 


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第一交通産業グループ沖縄地区で最年少の女性バス運転手となった内嶺彩華さん=9月22日、琉球バス交通宜野湾営業所

 県内のバス運転手不足が深刻化する中、第一交通産業グループ沖縄地区で、最年少の女性バス運転手が誕生した。内嶺彩華さん(22)はこのほど大型二種免許を取得し、琉球バス交通の路線バス運転手としてのスタートを切った。

 通学時に路線バスを利用し、バスに慣れ親しんでいた。進学か就職の選択を迫られた高校2年生の時、大きい乗り物を運転する姿に憧れ、バス運転手を目指した。

 しかし、バス運転手に必要な大型二種免許の資格を取得するには、普通自動車免許を取得して3年が経過し、21歳以上である必要があった。高校を卒業してすぐ普通自動車免許を取得した当時18歳の内嶺さんは、すぐに運転手として勤務することはできなかった。

 琉球バス交通から「免許が取れるまで事務員として働くのはどうか」と提案があり、高校卒業後、同じグループの那覇バス観光部で事務員として働いた。

 今年の3月から大型二種免許取得に向けて仕事の合間に自動車学校に通い、約2カ月で免許を取得した。7月から運転技術の他に接客などの研修を受け、無事に独り立ちした。現在は豊見城市豊崎向けの路線を主に担当している。

 内嶺さんはバスの点検表をチェックし、運行のゴーサインを出す旅客運送を行う運行管理者という国家資格も取得した。

 同社宜野湾営業所の平良務所長は「内嶺さんは孫のようにみんなに可愛がられている。第一交通グループの中で女性は3.5%ほどだが、女性がいることで営業所の雰囲気が明るくなる」と歓迎する。「バス運転手は男性社会だと思われているかもしれないが、性別は関係ない。運転が好きな人はぜひ挑戦してみてほしい」と呼び掛けた。

 内嶺さんは「ダイヤ通りの運行を心がけるのは大変だが、お客さんにありがとうと言われる度に運転手になって良かったと思う」と笑顔で話した。 (與那覇智早)