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体と心に寄り添う一着を 沖縄初、フルオーダーメイドの下着店 心地よさ重視、ジェンダーレスも


体と心に寄り添う一着を 沖縄初、フルオーダーメイドの下着店 心地よさ重視、ジェンダーレスも
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県内初のフルオーダーメードの下着専門店「コンテンティー」(浦添市、長浜千夏代表)がこのほど、誕生した。体形に合ったサイズはもちろん、自由に色や生地を選ぶことができる。乳がんの人や皮膚が過敏な人だけでなく、ジェンダーレスなど多様な下着を求める人などにも対応している。長浜代表は「自分に合った下着を長く着ることは、経済的にも環境にも優しい。心も体も喜ぶ一着を試してほしい」と話す。

 6月の開業以降、月に約8着ずつ売れており、営業開始から4カ月で約30着を販売した。フルオーダーのブラジャーは3万円~と決して安くはないものの、購入客からは「締め付け過ぎないガードルに感動した」「体が軽くなった」などの声が寄せられているという。

 長浜代表は、JOCA(青年海外協力協会)沖縄などで勤務してきたが、デスクワークで肩こりや呼吸が浅くなるなど体調不良に悩まされてきた。血流を改善して体調を少しでも良くしようと有名ブランドの下着も試したが、既製品は体にぴったりと合わず、疲れが取れなかったという。

オーダーメード下着の素材を選ぶ長浜千夏代表

 下着に関する悩みを解決しようと2年ほど前にフルオーダーメード下着の販売を思いつき、職人が手掛ける県外の複数の下着専門の縫製工場に足を運んで試作を重ねた。乳がんやアトピーなどを抱える人も心地よく着られるよう、直接肌に触れる部分の生地を綿100%にしながら伸縮性を持たせるなど工夫した。

 一般的な下着店ならバストのトップとアンダーを測りサイズを判定するだけだが、フルオーダーメードではトップの位置や左右差も考慮し、試着も重ねながら微調整をする。リンパの流れを滞らせないようにしつつ、丈の長さなど利用者の好みも合わせて着心地を追求する。

 通常の下着は、多くても200回程度しか着用できないとされるが、オーダーメードの下着なら約300回使用できるという。さらに傷んだ部分を取り換えるなど修理を重ねれば、一生使い続けることも可能だという。

 開業を機に、長年働く青年海外協力協会の雇用形態をパートに変更し、現在はダブルワークで事業を展開する。長浜代表は「自由な働き方ができる時代になった。この取り組みが誰かの夢の後押しにつながればうれしい」と話した。

 ショーツ、ブラジャー、ガードルが対象。詳細や問い合わせはホームページから。 (與那覇智早)