エンジニアリング事業などを展開するエイム(名古屋市)は18日、超小型の2人乗り電気自動車(EV)「AIM EV MICRO 01」の開発を発表した。
2025年からうるま市の工場で組み立て、販売を始める計画。離島に適したモビリティ(移動手段)にしようと、今年1月から久米島町の協力を得て、地元の意見も反映して設計を決めた。25日から東京都内である「ジャパンモビリティーショー2023」で展示する。
エイムはこれまでうるま市で自動車設計のエンジニア育成を手掛けてきたほか、近年では水温管理の知見を生かしシラヒゲウニの完全陸上養殖にも取り組んでいる。拠点があるうるま市にEVの組立工場も置き、工業高校を卒業した若手の人材育成にもつなげたい考え。製造目標は年間1千台。
当初は軽自動車の大きさのEV開発が念頭にあったが、離島には高速道路がなく、1日の走行距離も限られることから、久米島町での検討を踏まえ超小型モビリティとしての製造を決めた。
車両デザインは元日産のデザイナーが担当し、全長2・5メートル、全幅1・3メートルのサイズに、大人2人がゆったり座れる設計とした。走行速度は最高60キロ、1回の充電で120キロ走れる。
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1台の本体価格はバッテリーを除いて100万円以下とする。バッテリー部分は固定式、交換式の2種類があり、今後の技術の進化にもよるが30~50万円の価格を見込む。
18日に県庁で記者会見したエイムの鈴木幸典社長は「沖縄で使ってもらえる車を沖縄で製造し、日本や世界へ広げ、EVのプラットフォームを沖縄からつくりたい」と強調した。会見に同席した久米島町の中村幸雄副町長は、EV車の購入者への補助金制度にも触れながら「環境性能の高い車を導入し、ゼロカーボンを推進したい」と語った。
(當山幸都)