【東】医療用医薬品を製造、販売するジェイドルフ製薬(滋賀県、越田博武社長)の沖縄工場が東村平良に完成し、竣工(しゅんこう)式が20日に開かれた。東村産パイナップルの茎を活用し、原薬の「ブロメライン」を製造する。医療用医薬品の原薬製造工場が県内に開設されるのは初。来年4月の稼働開始を目指す。
同社は東和薬品(大阪府、吉田逸郎社長)のグループ企業で、痔疾患の治療薬などを製造している。パインから抽出される原薬のブロメラインは海外から輸入していたが、安定供給体制を確保するため、パイン生産が盛んな東村に工場建設が決まった。
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稼働後は年間125トンの茎から成分を抽出し、年間に必要な原薬量の4分の1に当たる1.25トンの製造を見込む。稼働開始までに試運転を重ね、有効成分の量や品質に関するデータを収集する。
工場は平屋建てで、延床面積は約1300平方メートル。総工費は約16億円で、昨年9月から建設が始まった。7人の従業員は国頭村や名護市などから採用され、東村からも2人が通う。
ジェイドルフ製薬の会長も兼任する吉田社長は「原料を国内で調達できることは、医薬品の安定供給に関わる重要なことだ。医薬品の安定供給を維持することが大事で、東村のみなさんにはぜひご協力いただきたい」と語った。當山全伸村長は「パインの生産を今後どんどん推進して原料の確保に全力を挙げたい」と完成を喜んだ。
(武井悠)