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沖縄公庫融資 半数が「貢献」 21年度 売上高、人員確保に


沖縄公庫融資 半数が「貢献」 21年度 売上高、人員確保に 沖縄振興開発金融公庫=那覇市おもろまち
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 沖縄振興開発金融公庫は14日までに、業務の適切な運営に向け出融資の効果や沖縄振興への貢献状況を評価する「2023年度政策金融評価報告書」を発表した。21年度の融資先が対象の調査では、回答した事業者の半数程度が売上高や従業員の「増加・維持」に貢献したと回答した。新・沖縄21世紀ビジョン基本計画の実現に向け、初年度の22年度は6264件、1379億円の出融資を実行した。

 融資の事後評価は効果を図るため2年後に調査を実施しており、今回は新型コロナウイルス関連融資が多かった21年度が対象となった。

 アンケートでは、融資について回答事業者の計50.4%が売上高の増加・維持に貢献したと評価した。70%を超えていたコロナ禍前には及ばなかったが、年度は「売上高の減少幅を抑えることに貢献した」との回答も19.6%あり、公庫担当者は「売り上げが下支えされたことに一定の評価を得ている」と説明した。

 融資の雇用への効果では、従業員の増加、維持に貢献したとの回答が計45・9%を占めた。

 公庫は直近10年間の件数や金額を新・21世紀ビジョンの施策に沿って八つに分類し、実績を評価している。13~22年度の10年間の出融資の実績は累計7万5286件、1兆4454億円だった。

 22年度はエネルギー関連で大型の設備投資があり、これを含む「安全・安心・快適に暮らせる生活基盤の充実・強化」が金額ベースで高い割合を占めた。

 (當山幸都)